に、何よりもこの問題に対して重々しい感情を保たんことを勧めたい。女に対して早くよりずるく[#「ずるく」に傍点]なることを警《いまし》めたい。かの「青い花」を探し求めたハインリッヒのごとくに「永遠の女性」を地上くまなく、いな天上にまでも探し求めることをすすめたい。しこうして「いつまでも愛します」と誓わずに、「いつまでも愛せしめたまえ」と祈り、他人を傷つけずみずからを損わず、肉体の交わりなき聖《きよ》い聖い恋をしてもらいたい(このことにつきては、『出家とその弟子』の五幕二場の親鸞と唯円《ゆいえん》との対話に詳説したからここには省く)。一度純潔を失いたる青年は、そを惜しみ、恥じ、悔い、その償いに用意したる心をもって女に対すべきである。しこうして夫婦はできるかぎりの貞潔を保たんことを努力すべきである。もしそれいかにしても遊蕩の制し得られざるときは、せめてそのことを常に恥じつつなしたい。みずからを悪人と認め、そを神に謝しつつも、なお引きずられるように煩悩《ぼんのう》の林に遊ぶ人と、それを当然のことと思って淫蕩する人とは雲泥の差がある。それはじつに親鸞と、ただの遊冶郎《ゆうやろう》との差異である。
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