服の意識は性欲を興奮させる。私は蛇が蛙を食ってるところを見ると性欲が生ずる。はなはだしきに至りては新聞で日本がシナを威嚇してる記事を読むと性欲が興奮する。その間にはある必然的な関係がある。しばしば手淫する人は、できるだけ惨酷な肉交を頭に思い浮かべなくては、性欲の興奮を感じなくなるという。これに反して女の運命を畏《おそ》れているときの心には最も性欲が生じがたい、愛の純粋な喜悦のときは涙と感謝とがみちて、性欲は最も遠ざかっている。美しい感情には、それを証する感謝がなければならない、性欲には感謝が伴わない。体の交わりをした直後に抱き合って泣くこともある。けれどそれは性欲そのものの感謝ではない。純潔な男女がある異常な鋭い接触をしたために感動して泣くのである。肉交に慣れた男と女とがなんらの著しき感動もなく、いな快楽さえもなく、習慣的に肉交して、互いを辱しめたことも感ぜずに、なまけた、じだらくな心で寝入るありさまを想像してみよ。じつに忌わしき感じがする。何に馴れているのがいまわしいといっても肉交になれて、なんらのパッションもなく、できるだけ安価にしかしできるだけしつこくたのしもうとするときの心ほど
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