ルど無理なものである。心あるものは平気で総代なんかになれるものではない。自分の生活に深刻であればあるほど個人、個人の生活の複雑多様なことを感ぜずにはいられない。数百人の感想を一人で代表して述べるなどということは無理なばかりでなく礼を欠くことである。ことにあなたのようにその感想がややもすれば共通的性質を離れて著しく主観的になりがちな人においてはいっそうのこと遠慮しなければならない。私がもし仮りに三年生であって、あなたの感想が私のを代表してるものとしたならば――いやそれほどでなくとも今年の三年には現にF・S君のような人がいる、F・S君をあなたが代表するなどということは傍から見ていて危うくてたまらないことである。
けれどもあなたは、私は多数の感想を独りで述べることは無理だから、私一人の感想を述べるとことわられた。また私などは適任者ではあるまいがと謙遜された。――おそらく誰だって適任者ではあるまいが――私は非常に嬉しかった。また安心した。
で私はここにあなたに反省を促すべき第一のことに逢着する。全寮茶話会の夜は無事に済んでよかったが、あなたはこれに類する、他人の思想を僭するような危険な地位
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