かったのに、とんだドジをふみやした。どうぞマアごかんべんを願います」森田屋清蔵は手を揉んだが、「それに致してもそのおみなりで、どちらへお出かけでございましたな。」
「うん、これか」といいながら、平八は自分を見廻したが「どうだ森田屋、似合うかな」「そっくり棟梁でございますよ」「アッハハハ、それは有難い。実はな、森田屋、この風で、海賊を釣ろうとしたやつさ」意味ありそうにきっといった。
「ええ、海賊でございますって? おお、それじゃわっちたちを?」さすがにその眼がギラリと光った。
「うん、まずそうだ。そうともいえる。がまたそうでないともいえる」謎めいたことをいいながら、一膝グイと進めたが、「森田屋、正直に話してくれ。船を造っちゃいないかな?」「ええ、船でございますって?」森田屋はあっけにとられたらしく「それはなんのことでございますな?」「ご禁制の船だよ。ご禁制のな」「へえ、それじゃ千石船でも?」「どうだ、造っちゃいないかな?」
「とんでもないことでございますよ」森田屋清蔵は否定した。
「ふうむ、そうか、造っちゃいないのだな。……いやそれを聞いて安心した。それじゃやっぱり他にあるのだ。……まる
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