れてな」北山はしばらく打ち案じたが、「卒直に云うとまずこうだ。……金一郎様のご他界は、内藤家におけるお家騒動の、犠牲というに他ならぬ。そうして騒動の元兇は、これは少しく畏《おそ》れ多いが殿のご舎弟|帯刀《たてわき》様だ。……いやいやこれには理由がある。しかしそれはゆっくり[#「ゆっくり」に傍点]と云おう。ところで二人の相棒がある。玄卿と大鳥井紋兵衛だ。紋兵衛が相棒だということは、実はお前さんの手紙によって想像をしたに過ぎないが、いやあいつの性質から云えばそんなこと[#「そんなこと」に傍点]もやり兼ねない。どだいあいつの素姓なるものが甚《はなは》だもって怪しいのだからな。どうしてあれほど[#「あれほど」に傍点]金を作ったかも、疑えば疑われる節《ふし》がある。それに第一そんな深夜に、ひとりこっそり[#「こっそり」に傍点]駕籠に乗って、大槻の屋敷を訪ねた帰路、帯刀様のお屋敷に寄り、その晩若君金一郎様が、ご変死なされたとあって見れば、相棒と見てよろしかろう、相棒というのが不穏当《ふおんとう》なら、関係があると云ってもよい。ところで肝腎《かんじん》の白粉だが、これはどうやら[#「どうやら」に傍点
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