からな。一番近しいご親戚からな」
「これは、ごもっともでございますな」
「ところがどなたが内藤家にとって一番近しいご親戚かな?」
「さあ」と云って考えたが、「森|帯刀《たてわき》様でございましょう」
「そうだよそうだよ、森帯刀様だよ」
 こう云うと北山は微妙に笑ったが、
「どうだ」とやがて促《うなが》すように云った。「解ったかな? お家騒動の意味が?」
「はい。しかし、どうも私には……」
「おやおや、これでも解らないのか?」
「とんと合点《がてん》がゆきません」
「頭が悪いな。え、一学」
「私の馬鹿は昔からで」
「それが今日は特に悪い」
「いやはやどうも、お口の悪いことで」
「お前、今日は、便秘だろう?」
「いえ、そうでもございません」
「なあに、そうだよ、便秘に相違ない」
「これはまたなぜでございますな」
「便秘だと頭が悪くなる」
「あッ、やっぱり、そこへ行きますので」
「ひまし[#「ひまし」に傍点]油を飲めよ。ひまし[#「ひまし」に傍点]油を」
「仕方がありません、飲むことにしましょう」
「アッハハハ、それがいい」
 面白そうに笑ったが、にわかに北山は真面目になり、
「これは少しく
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