百十五枚、大鱗の大きさ七寸五分、小鱗の大きさ二寸五分。……よし、これには間違いが無い。……蛇腹の数十六枚。うむ、是にも間違いが無い。……次は耳だ、異変《かわり》が無ければよいが。……右耳一尺七寸五分、左の片耳一尺八寸……やれ有難い、間違いはない。……眉の長さ一尺六寸。うむ是にも間違いが無い。……さて両眼だが何どうだろう[#「何どうだろう」はママ]? [#底本では1字分のスペースがない]……や、有難い、定法通りだ。ちゃあんと八寸に出来ていらあ。……上下合わせて十六枚の歯よし是にも間違いが無い。……北側の鯱を調べてやろう」
屋根棟を伝わって走って行った。
鯱の背中へふん[#「ふん」に傍点]跨《またが》り、また香具師は調べ出した。
「いや有難え、変ったことも無い」
ホッと安心したように、こう呟いた香具師は、さすがに疲労を感じたと見え、額の汗を押し拭い、トントンと胸を叩いたものである。それから城下を見下ろした。
「絶景だなあ、素晴しい[#「素晴しい」はママ]や」
いかにも絶景に相違無かった。
百万石の加賀の金沢、七十七万石の薩摩の鹿児島、六十二万石の奥州の仙台、大大名の城下町は、名古
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