其中家来達は、意外なことを知ることが出来た。お半の方と香具師とが、同じ穴の貉《むじな》では無く香具師としてはお半の方を憎みお半の方としては香具師を憎み、互に競って宗春公へ、中傷しているということであった。
 そうして是は事実であった。
 或夜寝所でお半の方は、宗春に向かってこんなことを云った。
「妾《わたし》を可愛いと覚し召したら、香具師をお退け下さいますよう」
「何故な?」と宗春は不思議そうに訊いた。
「これということもございませんが、何んだか妾にはあの男が、気味悪く思われてなりません。可く無いことが起こりましょう。どうぞお退け下さいまし」
 その翌日のことであった。香具師が宗春へこんなことを云った。
「婦人に御不自由もございますまい。あのご寵愛のお半の方だけは殿、お退けなさりませ」
「何故な?」と宗春は不思議そうに訊いた。
「これということもございませんが、何んだか俺《わたし》にはあの婦人が変に小気味悪く思われましてな、可く無いことが起こりましょう。殿お退けなさりませ」
 宗春に執っては可笑しかった。
「二人で寵を争っているな。アッハッハッハッ莫迦な話だ」
 で、歯牙にも懸けなかっ
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