寺の謎は胎内の、肺臓の中に蔵してあろうぞ」と、
そこで人形を断ち割って、その肺臓をしらべた処、一葉の紙のあったこと、そうしてその紙に次のような、数行の文字が書いてあったこと、
「多聞兵衛《たもんひょうえ》死せる場合、決して死骸を焼く可《べか》らず、左右の胸を調ぶ可《べ》きこと、一切の謎おのずから解けん」
「その肝心の多聞兵衛殿は、気の毒な変死をした上に、南蛮寺へ葬られてしまった。左右の胸を調べるとなると、なるほど土から掘り出さなければならない。大変な役目を引き受けたものだ」
右近丸は都へ下って行く。
都へ入ったのは間もなくであった。
夜分は南蛮寺はとざされている。
翌朝行かなければならなかった。
そうして翌朝行った時、驚くべきことが発見された。
死んだと思っていた多聞兵衛が、死なずに活きていたのである。
のみならず娘の民弥までいた。
「おお民弥殿!」
「右近丸様!」
抱き合ったのは云う迄もない。
唐寺の謎は解かれたか? いや解くことは出来なかった。多聞兵衛が拒否したからで、こう兵衛は云ったそうである。
「わしは南蛮寺の教義について、とんでもない誤解をしていたよ。だ
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