ますものか。……藪紋太郎さん、よう来てくだされた。私は大変満足です。……喜んで飛行機もお目にかければ沢山|蒐集《あつ》めた世界の名画――それもお目にかけましょう。……どれそれでは裏庭の方へ」
 こういうと先に立って歩き出した。
 庭に大きな木小屋があったが、すなわち今日の格納庫で、戸をあけるとその中に粛然と大鵬《たいほう》が一羽うずくまっていた。射し込む日光を全身に浴び銀色に輝く翼や尾羽根! それは木であり金属であり絹や木綿で作ったものではあるがしかしやはり翼《よく》であり立派な尾羽根でなくてはならない。人工の大鵬! 天翔《あまが》ける怪物!
「あっ!」
 と紋太郎が声に出し嘆息したのは当然でもあろうか。
「こっちへ」
 と云ってビショット氏は二人を大広間へ導いた。眼を驚かす世界の名画! それが無数にかかげられてある。
 快よい日光。……南国の日光。……その早春の南国の陽が窓から仄かに射し込んでいる。
 一つの額を指差した。
「ダ・ビンチの名画|基督《キリスト》の半身!」
 ビショット氏は微笑した。
「この人ですよ十三世紀の昔に、飛行機製作に熱中した人は! 先駆者! そうです、芸術と科
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