しかしこの時意外の意外として、洞窟の外とも思われる辺りから、素晴らしく高い大勢の讃歌の声が聞こえてきた。
ここは洞窟の外である。
六尺ぐらいのアラ神の像を、神輿《しんよ》に舁《か》きのせた数百の男女が、洞窟の入り口に屯《たむろ》していた。
数人の武士がその中にいたが、何と高手小手に縛られているではないか。醍醐弦四郎とその部下とであった。
そうして群衆は白河戸郷の、郷民達に他ならなかった。
その証拠には群衆の中に、以前に宮川茅野雄へ向かって、道を教えたことのある、また、同じ宮川茅野雄を、暗夜に襲って殺戮しようとした、老樵夫《ろうそま》のような人物が――もっとも今は威厳と信仰とを、具現したような風采をしている――白河戸|将監《しょうげん》その人が、娘の小枝《さえだ》を側《そば》に立たせ、自身も神輿の横に立って、郷民達と讃歌をうたっていた。
見れば大勢の郷民の中に、巫女《みこ》の千賀子も雑《まじ》っていれば、刑部《おさかべ》老人も雑っており、松倉屋勘右衛門も雑っていれば、杉次郎も弁太もお菊なども、同じように雑っていた。
一ツ橋慶正卿の言葉に従い、まず将監は白河戸郷の山岳宗
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