好奇心と興味と慾望とを起こし、自分こそ失った例の品と、そのもう一つの品物とを、手に入れようと希望したりした。
 こうして今や曠野まで来た。
 と、一方から大勢の者が、この四人の駕籠の方へ、群て歩いて来るのが見られた。
 白河戸郷の方角から、その大勢の者は来るのであった。

 洞窟の奥の神殿の前に佇んでいる男女があった。宮川茅野雄と浪江とであった。
 神殿の扉がひらかれていて――開いたのは茅野雄その人なのであったが――内陣のご神体が見えていた。
 六尺ぐらいの異国神の像で、左の一眼が鯖《さば》色の光を、燈明の火に反射させていた。
 それだのにどうだろう、右の一眼は、盲《めし》いたままになっているではないか。眼窩《がんか》は洞然《ほこらぜん》と開いているが、眼球が失われているのである。
 アラ神であるということは、多少とも回教を知っている人には、看取されたに相違《ちがい》ない。
 そのアラ神を囲んでいる厨子《ずし》が、宝石や貴金属や彫刻によって――アラビア風の彫刻によって――精巧に作られちりばめられてあり、厨子の前方燈明の燈《ひ》に――その燈明の皿も脚も、黄金で作られているのであったが――
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