策を講じてくれ」
 こう云って茅野雄を迂散そうにさえ見た。
(驚いたな)と茅野雄は思った。
(昔の伯父はこんな人ではなかった。何らか神は信仰していたが、もっと性質が明るくて、秘密など持つような人でなかった。……それだのにどうだろう今の伯父は、山師にしてしかも狂信者! と云ったようなところがある。それにどうだろう伯父の風采は?)
 覚明の風采は妙なものであった。切り下げの長髪を肩へかけ、異国めいた模様の道服を着し、刺繍の沓《くつ》を穿いていた。
(それに恐ろしく勿体ぶるではないか)
 これも茅野雄にはおかしかった。
 覚明は容易に人に逢わず、絶えず居場所を眩ませていた。時あって姿を現わす時には、十数人の侍者に周囲を守らせ、威厳をもって現われた。
 そうして茅野雄に対しても、伯父甥として対しようとはしないで、一宗の祖師が一介の信者へ対するような態度で対した。
 で、茅野雄はある時のこと、浪江に向かって問いを発した。
「伯父様の奉じている宗教は、回々教《ふいふいきょう》でございましょうな?」
 こう問うたのには訳がある。
 覚明がお祈りをする時に、こう云うことを云うのであるから。
「健在なれ
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