》を蔽うた。と、さながら氷柱のように、白光りをしていた刀身が、にわかに色を変えて桔梗色《ききょういろ》となった。が、それとても一瞬《ひとしきり》で、刀身はまたもや白く輝き、柄で蔽われていた茅野雄の額の、陰影《かげ》さえ消えて炬《きょ》のような眼が、眼前数間の彼方《あなた》に群立《むらだ》ち、刀の切っ先を此方《こなた》へ差し向け、隙があったら一斉に寄せて、打って取ろうとひしめいている、七人の敵を睨んでいた。
 と、茅野雄はギョッとして、七人の敵から眼を放して、グルグルと四方へ眼を配った。
 娘を小脇に引っ抱えた、醍醐弦四郎はどうしたか? ここに思いが至ったからであった。
 十間あまりの左手を、向こうへ走って行く人影がある。
 それこそ醍醐弦四郎で、依然として娘を抱えていた。
「待て! 弦四郎! 逃げるか! 卑怯!」
 茅野雄は怒声を浴びせかけたが、浴びせかけた時には追っかけていた。
 が、茅野雄が追っかけていた時には、七人の男達も追っかけていた。
 と、そのうちの一人であったが、群より離れて素早く走り、茅野雄の背後へ追いつくや、茅野雄の後脳を二つに割るべく、刀を冠って振り下ろした。
 し
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