交際《つきあ》う代わりに、ああいう六人の無頼漢どもと、交際《つきあ》わなければならないことになる……」
「では、勇気なんか、棄ててしまいましょう」
あわててお品は勇気をすててしまった。
で、二人は幸福なのであった。
で、二人は平和なのであった。
現妖鏡
一
浅草の境内で、薬売りの藤兵衛が喋舌《しゃべ》っていた。
「さあお立ち合いお聞きなされ。ここに素晴らしい薬がある。甲必丹《キャピタン》カランス様が和蘭《オランダ》の国から、わざわざ持って来た霊薬で、一粒飲めば神気が爽か! 二粒飲めば体力が増す。三粒四粒と毎日飲めば、女が一人では足りなくなる。つまり精力が逞《たくま》しくなるのだ。一月つづけて飲んで見なされ、妾を三人も囲いたくなる。生の活力、楽しみの泉、大きな事業を行う源! この薬に如《し》くものはない! 負けてやるから沢山お買い。十粒入りが一両とはどうだ! 何高い? 高いものか! 一粒十両でも安いくらいだ。とは云え大道商いだ、両という値は立てがたかろう。よろしいよろしい負けてやろう、十粒入りを一分にしてやろう。ナニこれでも高いというのか、どうも仕
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