世間の正しい批評を、仰がせることに役立つのだからだ」
田沼家へ行った『ままごと』の中には、何がはいっていたのであろうか?
要するにむさい[#「むさい」に傍点]物であって、飲めも食べも出来ないものであった。では、献上箱にはいっていた物は? 田沼主殿頭その人を、さながらに作った人形であって、しかもその胸には短刀が刺してあり、手には斬奸状が持たされてあった。
一、その方屋敷内の儀、格別の美麗を尽くし、衣食並びに翫木石に至るまでも、天下比類なき結構にて、居間|長押《なげし》釘隠し等は、金銀無垢にて作り、これは銀座の者どもより、賄賂として取り候ものの由、不届き至極。
二、諸大名官位の儀は、天聴へ奏達も有之《これあり》、至って重き儀に御座|候処《そうろうところ》、金銀をもって賄賂すれば、容易く取り持ち、世話仕候不届き至極。
三、近年詮挙進途の権家は、皆その方親族の者ばかりにて、その方の召使いの妾等を願望の媒《なかだち》となし、度々登城仕らせ、殊に数日逗留、その節莫大の金帛相い贈り、内外の親睦を結び置き候儀、不届き至極。
四、諸事倹約と申す名目を立て、自己のみ奢り、上を虐げ、下を搾取す
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