で思うにこの霊は数千年のその昔にこの地へ国を立てていた楼蘭という土耳古《トルコ》族の家国の霊かも知れません。もしそうなら祀らねばならん」
「何をいったい祀るんです」ラシイヌは益※[#二の字点、1−2−22]笑いながら、「決してご心配には及びません。まあご覧なさいその霊めをきっと捉えて見せますから」
自信の籠もったこの言葉はそれまで不安に襲われていた土人達の心を一掃した。
回鶻《ウイグル》語で記した木片が天幕《テント》へ投げ込まれたそれ以前から、誰が入れるのか解らないが、私の服のポケットへは女文字で記した仏蘭西《フランス》語の紙が一再ならずはいっていた。最初の紙にはこう書いてあった。
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同じ東洋人なる支那の貴公子よ、妾《わらわ》を固く信じ給え、西班牙《スペイン》の愚人の守りおる彼の水晶球を奪い取り妾の住居へ来たりたまえ。
[#ここで字下げ終わり]
第二の手紙にはこう書いてあった。
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早く決心なさりませ。奪い取った球を手に握って沙漠を東北へお逃げなさい。里程《みちのり》にして約二里半を足に任せてお逃げなさい。そうしたら村落《むら》に行
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