》人の巨財の在所《ありか》も自ずと知れるようにも思われる。
 私はとにかく何より先に有尾人達の住んでいる森林の中へ分け入って私の疑問を試みようとした。しかし不思議にも人猿どもは、私を絶えず監視して森の奥を訪《おとの》うのを拒絶した。そしてもちろん岩窟《いわや》の老人も私が森林へ分け入ることを非常に嫌っているらしかった。
 そこで私はこう思った――
「何より先に人猿どもを自分の味方に慣《なつ》けなければならない」
 とは云えどうしてなつけ[#「なつけ」に傍点]たものか最初は考えにも及ばなかったがその内一策を考え出した。私は美味《うま》い食物によって彼らを釣ろうとしたのであった。彼らは半分《なかば》人間ではあったが煮焚《にた》きの術を知らなかった。それを私は利用したのである。
 ある日私はいつものように自分の小屋の石のストーブで兎の肉を燻《い》ぶしていた。それがすっかり出来上がった時|果実《このみ》の絞り汁に充分浸して小屋から外へ出て行った。

        四十二

 森林には大勢の人猿どもが彼らの生活を営んでいたが、私を見ると警戒するように互いに何か叫び合った。私は老人に教わった人猿
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