日にまで至ったのであった。それにしてもどうして長く逞《たくま》しい尻尾を持っているのだろう? それは格別不思議でもない。恐らくは彼らはあの尻尾を数十万年の昔から数十万年後の今日まで、盛んに使用して来たのだろう。そのため尻尾があのように立派に発達したのであろう。利用即発達の大真理が、ここで用立った訳である。
 ある日、私とダンチョンとは森林の中を彷徨《さまよ》っていた。私達の跡を追いながら沢山の人猿が木を渡っていつまでもいつまでも従《つ》いて来た。森林の案内に通じていない私達を警戒するのでもあろう時々私達の先へ立って、方角を指で差したりした。行くに従って森林は益※[#二の字点、1−2−22]厚く繁茂して陽光《ひのひかり》さえ通らない。私達の足音に驚いて狐や兎が逃げ出したり、臭猫《くさねこ》が茨を潜りながら狐猿《レムール》の隠れた同じ穴へ周章《あわ》てふためいて飛び込んだり、群れて遊んでいた手長猿が一度にギャッと叫びながら枝から枝へ遁がれたりした。
 不意に私達の面前へ大猩々《ゴリラ》が姿を現わした時には恐怖のために足を止めた。しかし危険はちっともない。人猿が[#「ちっともない。人猿が」は
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