っかり失望してどうしてよいか解らなくなった。猛獣の難を避けるため高い護謨の樹の頂きへ小屋を造ってその中で彼は幾日も考えたが、どうもこのままここを見棄てて立ち去ることが残念に思われ、やはりこのままこの地にとどまり、有尾人種はいないにしても他に珍らしい動物どもが沢山群れ住んでいるによって、せめてそれらを研究しようとようやく彼は決心した。で彼は真っ先に自分の住む小屋の修繕に着手した。それから食物と飲料水とを小屋の近くに発見してそれに改良を加えたりした。体を保護する武器としては拳銃一挺に弾薬若干とそして一振りの洋刀《ナイフ》だけで他には何にも持っていない――虎の啼き声、豹の呻き、月影蒼い夜な夜な群れて襲って来る狼などの物凄い吠え声に怯《おびや》かされながら、こうして蕃界奥地の生活がジョンソンの上に始まったのであった。
一年二年――三年四年――五年の月日が経過した。森林に住んでいる鳥や獣のほとんど総《すべ》てと親しくなりほとんど総てを研究した。彼にとっては虎も豹も恐ろしいものではなくなった。性来《もとより》壮健の肉体が蕃地の気候に鍛練され猛獣と格闘することによって一層益※[#二の字点、1−2−
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