は当らなかった。ただ驚かせたばかりである。驚いた悪獣は一躍すると紅玉《エルビー》の体を引っ抱えた。そしてスルスルと立ち木に上ぼった。大事そうに紅玉《エルビー》を抱いたままヒラリと他の木へ飛び移った。こうして次々に梢を渡って林の中へ隠れ去った。それっきり彼らとは逢わないのである……。
私とダンチョンとは物をも云わず土人の声の聞こえない方へ力の続く限り走って行った。そして全く力が尽きて二人一緒に倒れた時には夜が白々と明けていた。猛獣の害も毒蛇の害も疲労《つか》れた私達には怖くもない。そこでグッスリ寝込んだのである。
その日の昼頃ようやく私は小屋を探し当てた。しばらく二人とも無言である。木椅子へグッタリ腰かけたままダンチョンも私も黙っている。幾時黙っていただろう? それでもやっとダンチョンは懶《ものう》い声で話し出した。
私はダンチョンの話によって探検隊の一行が土人部落から一|哩《マイル》離れた護謨林の中に戦闘のための砦を造って立て籠もっていて、今日かもしくは明朝あたり焼き打ちの計で土人部落の総攻撃をやる筈だと、そういう事を知ることが出来た。それにもう一つその探検隊の目的というのを知る
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