足を空へ上げて狂気《きちがい》のように踊り出した。そして私を引っ張りながら部落の方へ走り出した。部落に近附くに従って、何が広場で行われているかそれを明瞭《はっき》り知ることが出来た。
 広場に一本の杭があって一人の人間が縛られている。たった今向こうの森の中で捕虜《いけどり》にされたものと見えて、頬の辺に生々しい切り傷の跡がついていてそこから生血が流れている。純白の服はズタズタに千|切《ぎ》れ肌さえ露骨《あらわ》に現われている。蛮人どもはそれを巡って凱旋踊《おどり》を踊っているのであった。私は捕虜の顔を見た。ダンチョン氏の顔であろうとは! 紛《まご》う方もないその捕虜は一緒に沙漠を探検した西班牙《スペイン》の画家のダンチョン氏だ! そう感付くとすぐ私は土人らが敵として戦っている白人に率いられた侵入軍とは、ラシイヌ探偵やレザール探偵達の探検隊に相違ないとこのように忽ちに連想した。
「それでは西班牙《スペイン》の探検隊はすぐ向こうまで来ているのか。それにしてもどうしてダンチョン氏は土人の捕虜になんかなったんだろう? 捕虜になったということをラシイヌ探偵達は知らないのだろうか? 探検隊の人達に
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