女に従いて彼女達の部落まで行って見ようと早くも決心したのであった。

 その日私と土人乙女とは部落を差して出立した。道々私は尚手真似でいろいろのことを聞き出した。私を一番驚かせたのは土人部落に私と同じような支那人がいるということであった。しかも大勢の人数であって、その大勢の支那人達は部落の土人に味方して白人達に引率《ひき》いられている侵入軍を向こうに廻して戦っているということであった。
 とにかく部落へ行って見たら万事|明瞭《はっき》りするだろうと歩きにくい道を急ぐのであった。この美しい土人乙女が縁も由緒《ゆかり》もないこの私を、どうして助けたかということも手真似によって知ることが出来た。彼女は私を一目見ると――すなわち海岸のボートの中に命も絶え絶えに気絶していた私の姿を一目見ると、南洋熱帯の乙女らしく憐れな姿の私に対して恋を覚えたということである。だから私を助けたので、そうでなければかえって私の肉を食ったろうということである。こんな恐ろしい事件《こと》を彼女は率直の手真似をもって一向平然として語るのであった。人の肉を食うダイヤル族! いかに彼女が美しくとも土人の血統は争われない。私は
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