ンズン下へ降りて行った。十分ほど時間を費した時、とうとう私は地下の室へ、自分が来た事を発見した。
 室の三方は壁であった。天井の中央からはシャンデリアが無数の電球を下へ向けて、室を明るく照らしている。飾りらしいものはないけれど、室の中央に一脚の丸卓子が置いてあって、その上に一葉の紙があり、紙には設計図が書かれてある。それにもう一つ、巨大の像――支那服を纒った老人の、巨大の像が室の口に、居然と置かれてあるのであった。

        十五

 私はその像を見ているうちに、誰の銅像だか解って来た。すなわちそれは既に死んだ袁世凱の像である。どういう訳で袁爺《えんや》の像が、ここに置かれてあるのだろうかと、私はしばらく考えて見たが、それの解ろう道理がない。袁爺の像はここばかりでなく、十字形をなした長廊下のその真ん中にも置いてあった。廊下の真ん中に置いてある袁爺の像を発見《みつけ》る前に、私は奇怪な地下の館の、あらゆる場所を見歩いたのであった。蜘蛛手《くもで》に延びている無数の廊下! 廊下の左右には室の扉がズラリと一列に並んでいた。私は室の扉を叩いて見た。誰も中から返辞をしない。返辞こそしない
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