した。
「殺せ殺せさあ殺せ! 骨は親分が拾ってくれる! 殺せ殺せさあ殺せ!」
藤作は大の字に仆れたまま、多勢に一人力では敵《かな》わず、ただ声ばかりで威張っていた。
そいつを高萩の乾兒達は、戸外《おもて》へ引き出し抛り出した。
「ナニ藤作が猪之の賭場で、間違いを起こして袋叩きにされたと」
料理屋の奥で酒を飲んでいた、赤尾の林蔵はこれを聞くと、――乾兒の注進でこれを聞くと、長脇差をひっ[#「ひっ」に傍点]掴み、
「こうしちゃいられねえ、みんな来い!」
取巻いていた乾兒を連れ、自分の賭場の方へ走って行った。
4
高萩の猪之松も料理屋の座敷で、四五人の乾兒たちと酒を飲んでいたが、乾兒の注進でこの事件を知ると、顔の色を変えてしまった。
「云うことに事を欠いて、イカサマがあると云われちゃア、袋叩きにもしただろうさ。……が、相手が悪かった。日頃から怨みの重なっている、赤尾の林蔵の身内だからなア。……こいつアただではおさまるまい。……ともかくも旅籠《やど》へ引き上げろ」
そこで旅籠《はたご》へ帰って来た。
林蔵も一旦賭場へ行き、負傷をしている藤作へ、すぐに応急の手あて[#「あて」に
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