思った。
 あやめ[#「あやめ」に傍点]はあやめ[#「あやめ」に傍点]で又思った。
(姉妹《きょうだい》二人が揃ったのだから、すぐにも荏原屋敷へ乗り込んで行って、主馬之進を殺して復讐したい。お父様の怨みを晴らしたい)
 双方の祈願《ねがい》が一緒になって、あやめ[#「あやめ」に傍点]とお葉と主税とは、この夜荏原屋敷へ忍び込んだのであった。
 さて三人忍び込んでみれば、天の助けというのでもあろうか、頼母がい、勘兵衛がいた。
(よし、それでは次々に、機をみて討って取ってやろう)
 木陰に隠れて機会《おり》を待った。
 と、構え内を警護していた、頼母の家来の覆面武士の一人に、見現わされて誰何された。主税はその覆面武士を、一刀の下に斬り仆した。と、大勢がこの方面へ走って来た。主税はあやめ[#「あやめ」に傍点]を引っ抱えて、木立の陰へ隠れたのであるが、どうしたのかお葉は一人離れて、亭の方へ忍んで行った。声をかけて止めようと思ったが、声をあげたら敵の者共に、隠れ場所を知られる不安があった。そこで二人は無言のまま見過ごし、ここに忍んでいるのであった。……
 二人の眼前にみえているものは、主税に斬り仆
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