んとそうして小平さん、
 彼等は正《まさ》しく成仏した。
 下流の方へ流れて行った。
 鬼火だけが燃えていた。
 真暗の夜を青い顔をして、上下左右に躍っていた。
 何を一人で働くのだ。
 消えろ消えろ! とぼけた[#「とぼけた」に傍点]鬼火だ!
 幕の閉じたのを知らないのか。



底本:「怪奇・伝奇時代小説選集2」春陽文庫、春陽堂書店
   1999(平成11)年11月20日第1刷発行
初出:「大衆文藝」
   1926(大正15)年6月
入力:阿和泉拓
校正:noriko saito
2007年11月25日作成
青空文庫作成ファイル:
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