啓端となす。
第二 新自由主義
国会期成同盟会なるものは往時の民選議院建白を宗として起こりしもののごとし。しかれどもその六、七年間において政論状態は一変し、民権論派なるもの四種に分かれて并立したることは実に第二期の政論派なりき。この四種のうち第一種の慷慨派は十年の役とともにほとんどその形を失いたるも、残余の分子は他の三種に合して当時ふたたび国会請願の連中に入れり。期成同盟会は種々の分子をもって成立したるものなれば、あたかも昨年春の大同団結に類するものあり。すなわち各種の心事をもって同一の事業に向かうゆえに同盟会なるものは一の論派としてここに加うるの価格はあらず、吾輩はただ二期の連鎖としてこれを挙げんのみ。第三期の政論派は当時まさにその萌芽を吐きたり。しかしてここに新自由主義というべき一派はにわかにその間に発生し、従来の快活的民権派に新しき武器を供給したるがごとし。吾輩は仮りにこれを名づけて新自由論派と言わん。今のベルリン駐※[#「答+りっとう」、第4水準2−3−29]《ちゅうさつ》公使なる西園寺侯は新たに仏国より帰りて、二、三の同志を糾合し、たとえ暫時なりとも『東洋自由
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