い起こりてこれに和し、ついに国粋保存と言える異称は守旧論派の代名詞となるに至れり。これ国民論派の発達を妨げたる一大妨障なりき。吾輩は『近時政論考』を草し終わらんとするに臨み、いささかその大旨を明らかにしてこれが妨障を除かざるべからずと信ず。今この編の終尾において吾輩はふたたび揚言せん、いわく、「君子のその真理を明らかにせんとするや、その説の時に容れられざるを憂えず、その理の世に誤解せらるるを憂う」と。吾輩はとくに国民論派のためにこれを言う。
底本:「日本の名著 37 陸羯南 三宅雪嶺」中公バックス、中央公論社
1984(昭和59)年8月20日初版発行
底本の親本:「近時政論考」日本新聞社
1891(明治24)年6月4日発行
入力:tsuru
校正:小林繁雄
2006年9月13日作成
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