その経費の総額は一個年実に壱億六千参百余万円の巨額に達するの計算であった。これ英国近時の財政が急に膨脹せざるを得ざるに至りしゆえんであって、現に一九〇八年度の予算編成に当たっては、主として海軍拡張及び養老年金法実施のため約壱億五千万円の歳入不足を見るに至ったものである。ここにおいてか時の大蔵大臣ロイド・ジョージはやむを得ず一大増税計画を起こし、土地増価税、所得税、自動車税、煙草税《たばこぜい》等の新設または増徴を企てたものである。ただその課税おのずから富者に重かりしがゆえに、当時の予算案は議会の内外において騒然たる物論を惹起《じゃっき》し、ついにはローズベリー卿《きょう》をして「宗教も、財産権も、また家族的生活も――万事がすべて終わりである*」と絶叫せしむるに至ったものである。
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* It is the end of all things−−religion, property, and family life.
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 ロイド・ジョージ氏がかの有名なる歴史的の大演説を試みたのは、実にその時である。当時彼が前後四時半にわたる
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