らして、必ずわれわれの身心の健全なる発達を妨ぐべきものなので、それが利益となるべきはずはあり得ないのである。[#地から1字上げ](九月二十四日)
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* Fetter, Economic Principles, 1915. p. 29.
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三の三
ちょうど南ア戦争の終わる少し前、一九〇二年の初めに英国の陸軍少将フレデリック・モーリス氏は『コンテンポラリー・レヴュウ』という雑誌に「国民の健康」と題する論文を公にし、その中において、今日英国の陸軍における志願者はだんだん体格が悪くなりて、五人の中でやっと二人だけの合格者を得るにとどまるありさまであるが、「この五と二との間に横たわる意味を研究するということは実に今日国家死活の問題である。そは陸軍軍人の大部分を供給すべき階級の人々の体格が、今日かくのごとき割合において退化しおるということを意味するのであるか。もししかりとすれば、この恐るべき事態の原因はそもそもなんであるか。それははたして救済しうべき事がらであるか」という意味のことを論じたことがある。
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