ヘなはだしかりしかを知りうると同時に、平生冷静沈着なる英人がかほどまでの騒動を惹起《ひきおこ》せしことは、その激昂《げきこう》の度のいかにはなはだしかりしをも知るに足ると思う。
エヴァスンは彼を評して「ロイド・ジョージ以上の militant peacemaker(戦闘的平和主張者)はかつて見たことがない。彼は南ア戦争当時において、ブーア人が英軍に反抗して戦いしと同じ激しさをもって、戦争に反抗して戦った」と言っておるが、実にそのとおりだと思う。
× × ×
叔父《おじ》のリチャード・ロイドはその甥《おい》を理想的に育て上げることを神聖かつ最高の義務と信じて、これにその一身をささげた。このゆえにこの叔父によって育てられたるロイド・ジョージはその神聖かつ最高の義務と信ずるところに向かって、常にその一身をささげつつある。
四歳にして父をうしない、二人の孤《みなしご》が母を擁して相泣きし時、身をささげて彼らの急を救うた者は叔父のリチャード・ロイドであった。叔父はこれがために一生めとらず、彼らとともにつぶさに辛酸をなめ尽くした。その恩義、その慈愛は
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