激唐フ郷里バーミンガム市に攻め入るの予定を立てた。そもそもこのバーミンガム市は、チャンバーレンの本営|牙城《がじょう》にして、氏の政敵のかつて足一歩も踏み入るるあたわざりし所である。チャンバーレンは早くより親しく同市の市政に参画し、幾多の改良改革を断行し、同市をして英国都市中の模範たらしめし恩人にして、数十万の市民は氏を神のごとく崇拝していたのである。さればロイド・ジョージのこの地に入らんとするの報一たび伝わるや、同地の新聞紙は一斉に筆を整えて獰猛《どうもう》に彼の攻撃を開始し「自称国賊《セルフコンフェッスド・ヱネミー》きたらんとす」「売国奴《トレーター》ロイド・ジョージ侵入せんとす」などいう挑発的文字をもって盛んに市民の反感を扇動し、広告隊は終日市中を練り歩きて「国王、政府及びチャンバーレン君を防衛するがため」忠実なるすべての市民は、ロイド・ジョージの演説会場たるタウン・ホール(市公会堂)に押し寄すべしなんど触れ回るという勢いで、彼いまだきたらざるに殺気はすでに市内にみなぎった。ここにおいてか警察部長《チーフコンステーブル》は万一をおもんぱかり、彼に向かってせつに集会を中止せんことを
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