ホ、私はそれを真にぜいたくだというのである。[#地から1字上げ](十二月十八日)
十二の四
私がぜいたくを排斥するのは以上のごとき趣意である。もしこれを誤解していっさい物質的生活の向上を否認するものとせらるるならば、著者のはなはだ迷惑するところである。たとえば食物にしても、壮年の労働者には一日約三千五百カロリーの営養価を有する食物を摂取することがその健康を維持するために必要だとするならば、そうして日本の労働者は現にそれだけの食物を摂取しておらぬとするならば、私は彼らの食物につきすみやかにその品質を改良しその分量を増加せんことを希望する者である。きのうまでまずい物を少しばかり食べていたものが、きょうからにわかにうまい物を腹一杯に食べることにしたからとて、もしその事が彼らの健康を維持し増進するに必要であれば、私は決してこれをぜいたくだといわぬのである。ただ古人も一日|為《な》さざれば一日食わずと言ったように、無益に天下の食物を消費することを名づけてぜいたくといい、いっさいを排斥せんとするのである。
私はこの趣意に従うて、たとえば自動車に乗るがごときことをも、これをぜい
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