闕諱sさかな》を食ったりするのは、その収入に比較して過分の出費であるから、その人たちにとってはたしかにぜいたくである、こういうふうに説明して来たのである。しかし私がここに必要といいぜいたくというは、かくのごとく個人の所得または財産を標準としたものではない。私はただその事が、人間としての理想的生活を営むがため必要なるや否やによって、これを区別せんとするものである。
 ただし何をもって人間としての理想的生活となすやについては、人の見るところ必ずしも同じくはあるまい。しかして今私は、自分の本職とする経済学の範囲外に横たわるこの問題につき、自分の一家見を主張してこれを読者にしうるつもりでは毛頭ないけれども、ただ議論を進むる便宜のためにしばらく卑懐を伸ぶることを許さるるならば、私はすなわち言う。人間としての理想的生活とは、これを分析して言わばわれわれが自分の肉体的生活、知能的生活《メンタルライフ》及び道徳的生活《モーラルライフ》の向上発展を計り――換言すれば、われわれ自身がその肉体、その知能《マインド》及びその霊魂《スピリット》の健康を維持しその発育を助長し――進んでは自分以外の他の人々の肉体的
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