驕B志ある者はよろしく自らこれを責むべし、しかもこれをもっていっさいの民衆を律せんとするは、薪《たきぎ》を湿《しめ》してこれを燃やさんとするがごときもの、経世の策としてはすなわち一方に偏するのそしりを免れざるものである。されば悪衣悪食を恥ずる者はともに語るに足らずとなせし孔子も、子貢の政《まつりごと》を問うに答えてはすなわちまず食を足らすと述べ、孟子《もうし》もまた、民の産を制して、楽歳に身を終うるまで飽き、凶年にも死亡を免れしめ、しかるのち駆《か》って善にゆかしむるをもって、明君の政なりと論じているのであって、私が今、社会問題解決の一策として経済組織の改造をあぐるもまた同じ趣旨である。
 しかしながら、丈夫な土台を造らなければ立派な家はできぬということはほんとうであっても、丈夫な土台さえできたならば立派な家が必ずできるというわけのものではない。人はパンなくして生くるあたわず、しかしながら人はパンのみにて生くる者にもあらず。それゆえ孟子は、恒産なくんば因って恒心なしとは言ったが、恒産ある者は必ず恒心ありとは言っておらぬ。否孟子は、恒産なくんば因って恒心なしということを言い出す前に、「民
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