適当とするだけのことだ。
 地球の表面には殆んど同数の男女が生きている。そしてその文化が男性の欲求にのみ適合して成り立つとしたら、それが如何に不完全な内容を持ったものであるかが直ちに看取されるだろう。
 女性が今の文化生活に与ろうとする要求を私は無下《むげ》に斥《しりぞ》けようとする者ではない。それは然しその成就が完全な女性の独立とはなり得ないということを私は申し出したい。若し女性が今の文化の制度を肯定して、全然それに順応することが出来たとしても、それは女性が男性の嗜好に降伏して自分達自らを男性化し得たという結果になるに過ぎない。それは女性の独立ではなく、女性の降伏だ。
 唯《ただ》外面的にでも女性が自ら動くことの出来る余地を造っておいて、その上で女性の真要求を尋ね出す手段としてならば、私は女権運動を承認する。
 それにも増して私が女性に望むところは、女性が力を合せて女性の中から女性的天才を生み出さんことだ。男性から真に解放された女性の眼を以て、現在の文化を見直してくれる女性の出現を祈らんことだ。女性の要求から創り出された文化が、これまでの文化と同一内容を持つだろうか、持たぬだろうか、
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