れ果て、それが人類進歩の妨げになるようなことはない。けれども愛の要求以上に外界の要求に従った人たちの建て上げたものは、愛がそれを破壊し終る力を持たない故に、いつまでもその醜い残骸《ざんがい》をとどめて、それを打ち壊《こわ》す愛のあらわれる時に及ぶ。
 愛の純粋なる表現を更に切実に要求する人は、地上の職業にまで狭い制限を加えて、思想家若しくは普通意味せられるところの芸術家とならずにはいられないだろう。その人々は愛が汚されざらんが為めに、先《ま》ず愛の表現に役立たしむべき材料の厳選を行う。思想に増して純粋な材料を、私達人間は考えつくことが出来ない。哲人又は信仰の人などといわれる人は――若しそれがまがいものでなかったなら――ここにその出発点を持っているに違いない。普通意味せられるところの芸術家、即《すなわ》ち芸術を仕事としている人々は思想を具象化するについて、思想家のように抽象的な手段によらず、具体的な形に於てせんとするものだ。然しながらその具体的な形の中《うち》、及ぶだけ純粋に近い形に依ろうとする。その為めに彼等は洗練された感覚を以《もっ》て洗練された感覚に訴えようとする。感覚の世界は割合
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