五人ほどの頭が飯を食っていた。渡瀬はいきなりそれらの間に割りこんで坐った。
「ガンベか。ただ今食事中だ、あすこの隅にいって遠慮していろ。今夜はばかに景気がいいじゃないか」
といったのは人見だった。そこには園もいた。あとは誰と誰だかよく解らなかった。
「貴様は誰だ。(顔を近づけると知れた)うむ柿江か。誰だそこにいる貴様二人は」
「森村と石岡じゃないか。西山の代りに今度白官舎にはいったんだよ。臭いなあ……貴様はまた石岡にやられるぞ。そっちにいってろったら」
とまた人見がいった。渡瀬は動かなかった。
「何をいうかい。今日は石岡も石金もあるもんか……酔ったぐらいで人をばかにしやがると承知しないぞ、ははは……おい人見、ここには酒はないのか、酒は。……ねえ? ねえとくりゃ買うだけだ。おい婆や……もっとよく顔を見せろ。ふむ、お前も末座ながら善人の顔だ……酒を買ってきてくれ。誰かそこいらに金を持っている奴はないか。俺の寿命を延ばすとおもって買ってきてくれ。飯なんぞもぞもぞ[#「もぞもぞ」に傍点]と食ってる奴があるかい、仙人みたい奴らだな」
柿江がそうそうに飯をしまって立とうとした。それを見ると渡
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