いると書いてあります。古藤君はそうした手続きを取るのをはなはだしく不快に思っているようです。岡君は人にもらし得ない家庭内の紛擾《ふんじょう》や周囲から受ける誤解を、岡君らしく過敏に考え過ぎて弱い体質をますます弱くしているようです。書いてある事にはところどころ僕の持つ常識では判断しかねるような所があります。あなたからいつか必ず消息が来るのを信じきって、その時をただ一つの救いとして待っています。その時の感謝と喜悦《きえつ》とを想像で描き出して、小説でも読むように書いてあります。僕は岡君の手紙を読むと、いつでも僕自身の心がそのまま書き現わされているように思って涙を感じます。
なぜあなたは自分をそれほどまで韜晦《とうかい》しておられるのか、それには深いわけがある事と思いますけれども、僕にはどちらの方面から考えても想像がつきません。
日本からの消息はどんな消息も待ち遠しい。しかしそれを見終わった僕はきっと憂鬱《ゆううつ》に襲われます。僕にもし信仰が与えられていなかったら、僕は今どうなっていたかを知りません。
前の手紙との間に三日がたちました。僕はバビコック博士《はかせ》夫婦と今夜ライシアム
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