嬉しく思いました。やっぱり山の人です。姫路スキーの連中は天候がよくなったので、明日案内を連れて、氷ノ山へ登ると言っていました。翌日私は午前八時姫路スキーの連中が出てから鉢伏へ出発しました。牧場へ出て鉢伏の急斜面を登ろうとしましたがなかなか登れません。そこでズーと西の尾根へ取付き峰伝いに鉢伏へ登りました。今日はよいお天気で、一層山が綺麗に見えました。頂上の少し手前で森林に入り、それを抜けるともう後の方に三ツヶ谷を越して扇ノ山が見え三ツヶ谷と仏ノ尾の鞍部にブナノ木ノ尾が現われてきました。氷ノ山は牧場辺からズーと見えますが、ここで見ると一層雄大です。そして驚いたことには、あの白耆の大山が真白に尖って雲のように見えることです。頂上に着いたのは十二時で、鉢伏の尖った支峰の頂上には、姫路スキーの鉢伏、氷ノ山縦走記念と書いた杭が打ってあります。ここからは妙見山や蘇夫岳もなかなか雄大に見えます。下りには急斜面を殆んど尻で辷ってしまいました。牧場を通って元の道を村へ下ったのは、午後二時で鉢伏へ登るのでもこんなに長い時間かかりました。冬はなかなか夏のように早く行けません。どこでも夏のように寝られませんから
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