を避け、また右岸に返って芦峅に下った。
C 奥穂高・唐沢岳・北穂高
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二月二十日 快晴 六・〇〇島々 一一・二五沢渡 二・〇〇中ノ湯 四・〇〇―四・五〇大正池取入口 五・五〇上高地温泉
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温泉のお爺さんは少し身体の具合が悪かった様子だが、飯を炊いたりしているうち、元気になり、僕が神戸から持ってきた餅を少しあげたら、自分は餅が一番好きだと言って、非常に喜んでくれた。そして大阪三越の古家武氏が二月の初め、一人で槍を登ったと聞き、ちょっと嬉しくなってしまう。
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二十一日 快晴 六・三〇発 一〇・四〇―一一・〇〇横尾岩小屋 〇・〇〇唐沢出合 二・〇〇―二・二五池ノ平 三・四〇―四・〇〇横尾岩小屋 五・三〇一ノ俣
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横尾岩小屋に荷物を置いて唐沢谷偵察に行く。なかなかすばらしい谷だ。明るいうちに辷って帰るのは惜しいが、余り疲労するといけないと思って池ノ平から引返す。傾斜は緩く、雪も柔かで気持いい。
[#地から1字上げ]二十二日 雪後晴 滞在
午後雪がやんで常念や大喰《おおばみ》が
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