記せり、内ヶ谷の川を渡り笹原に取付き嶽ノ湯へ行く道を横切りて急なる道を進む、雪渓に出でこれの右側を進む。なかなか急なり、休み後方を見れば、御嶽の裾野の偉大なるに驚けり、高天原|継子岳《ままこだけ》着、二時頃三角点にて万歳三唱、両側に池を眺めながら尾根を進みて一、二時間にて摩利支天着、三角点にて万歳三唱、下山、雪渓の上を廻りて道に出で、また登りて、二ノ池小屋着、焼印を押し絵葉書を買い黒沢口小屋に行く、王滝頂上小屋へいたり荷物を置き頂上へ行く。数多祠あり、また登りて三角点にて万歳三唱、一〇二一八尺の石碑あり、これはどこより計算したるか知らず、地図には一〇一〇八尺なり、社務所にて絵葉書、扇子、御守、御百草(ダラニスケと同様らしい)を買う。小屋にて焼印を押し泊る。

[#地から1字上げ]八月一日(日曜日)曇
 早朝起床支度をなし、朝食をすまし、午前六時小屋出発。王滝口下山なかなか急峻なる道なり。七合目までは苦しいほどの下りにて七合よりスロープ緩く楽なり。三笠山の横を通り多くの小屋を過ぐ、王滝十一時半着、途中清滝王(新)滝を見物せり、なかなか気持よきところなり、王滝村にて昼食をなし十二時出発木曾
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