りも、降雪の止む頃の方が危険である。冬の降雪はたいてい一日くらいで止むが、稀には三日もつづくことがある。この場合こそ最も大きな雪崩の出るときである。故に日数の都合で降雪中の登降を試みるなら、雪の降り始めに行うべきで、決して降雪の止む頃に敢行してはならない。
 降雨――雨量が少量の場合は湿雪の降ったのと同様、概して雪崩を誘起しないが、多量のときは積っている雪の中まで浸潤して、その雪を湿潤雪とし最後には粒子のあいだを流れて滑剤となり、恐るべき雪崩発生の原因となる。冬期に降雨のあることは稀であるが、それでも一月に一、二度はあるらしい。雪崩の起るのは多く急傾斜のところで被害も緩傾斜のところへは及ばないようである。そして積雪量の少ないところは底雪崩となりやすいから地肌にも影響される。
 降雨直後の晴天の日は、冬から急に春に変ったと思われるほど暖い日でない限り、すなわち普通の冬期の晴天なら雪崩は他のいかなる場合よりも少ない。相当の粉雪量が積った上に風、日光等で丈夫なクラストを作っている場合は、それに雨が入り込むと中の粉雪は湿雪に変って容積が少なくなりクラストの下に中空を形成するから、もし表面のクラ
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