雲や霧の切れるごとにチラリチラリと星が見えるのである。もうこうなれば天候は全く快復しているのである。ただし雲が切れて行っても青空が見えぬとき、すなわち上空がまだ曇っているような場合はもう一度荒れると確信してよい。山頂附近には両方とも雪を降らすが、山麓では第一回の荒れが雨で、第二回目の荒れには雪に変るのであって、こういうように気温が下って行って初めて晴れ上るのである。
 降雪が夜中に止むと朝方には山の中腹に霧が立ち込めていることが多い。しかしこの霧は一部分に薄くかかっているだけで、夜が明け出すと非常に明るく感ずるからよくわかる。こんなときはたいてい丸一日晴天だから夜が明けてから様子をよく見定めて後出発しても遅くはない、で気をつけてこの機会を取り逃がさぬようにしなければならぬ。降雪が午後からやんで夜通し星が出ていれば、その間晴天が逃げて行くわけだから、翌日はできるだけ早く出発して午後には安全地帯に到着しているようにしないと荒天に逢うおそれがある。
 荒天になる前兆――晴天であった日の夕方にわかに生暖い風が吹き始めたかと思うと青空に刷毛で掃いたような雲ができる。また谷間に雲がボーッと浮いて、
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