ころが二、三カ所ある。そのうち一番大きな奴が出るのは、地図の材木坂の材の字から南へ出ている浅い谷からである。この雪崩の出るところを越して次の尾根を二、三回キック・ターンをして登り、右へ巻けば清水の出ている一番大きな谷へ出る。この谷はブナ坂の下から出ている浅い谷のつづきである。清水は真冬でも埋ることがなく、いつも登山者に元気をつけてくれる。ここから上は広い谷なので大きくジッグザッグを刻みながら登れる。傾斜は随分急なので、日当りのよい三月頃はスキーのために足元から雪崩れることがあり、下りには特にいやなところである。
材木坂の下りにはこの清水のところをよく注意していて、これより下へくだり過ぎないようにしながら右へ谷をトラバースしないと悪場がある。しかし例年正月頃は雪が少なく道が全く出ていて、それらの心配がなくスキーを担いで上下するときの方が多い。
スキーはアルペン担ぎにした方が両手が自由なので都合がよい。これは両スキーの先端を重ねて前皮か適当な紐で締め、両締具をルックザックの負皮の上の鐶に通して、ルックザックとともに担ぐのである。もしスキーがぐらつくようならテールの方も紐で腰に縛りつける
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