ルを横にして上の雪を潰し、これを脛で固め一歩一歩泳ぐようにして登らねばならなかったので二人とも全く大汗をかいてしまった。第六峰は雪ばかりの広い尾根で、ブラブラと登ることができたが、五峰からもう痩せていてところどころ岩も出ているので安全第一とアンザイレンしたため、岩登りの下手な僕が始終ブレーキになって、第三峰のチムニーの下へきたときには予想外にときを経ていた。ここで取付きやすい左のチムニーに入ったが、これには全部雪がつまっていて上の方に雪庇さえ懸っていた。その雪庇を落すために二、三度努力してみたけれど、ピッケルが思うようにとどかぬので、諦めてその下に雪のトンネルを斜めに掘り始めた。このトンネル作業はピッケル以外に適当な道具が無かったため実に労が多く、三時間ほどもかかってやっと抜け出すことができた。しかしもうそのときは夕闇がせまり、その上雪まで降り出してきた。そこからしばらく右へ雪の斜面を登ると本尾根へ出ることができた。本尾根は大きな岩のリッジになっているので、少しく右へ下り気味に涸沢側を巻き、そこより真上に岩と雪の斜面を登ろうとしたが、雪がひどく降り出して懐中電灯の光ではコースがよくわか
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