々欠点をあげて非難されだろうことも毫《ごう》も残念だとは思わなかったし、僕の死体を探すために出される捜索隊のことや、その他いろいろとみんなの厄介をかけること等はまるで頭の中に浮んでこなかった。それは僕の性質に欠陥があるためだろう。そのうちに頭も疲れてきてついに何も考えられぬようになってきた。そして間もなく眠るが如く、ぐったりと倒れてしまった。
 それから四、五時間もたった頃、僕は突然われにかえった。気がついてみると、やっぱり僕は三ッヶ谷の直下で倒れていたのだった。空はもうからりと晴れ上ってすばらしいお天気になり、暖かい太陽が斜め上に赫々と輝いていた。そのときの僕は嬉しさのあまりこおどりした。唄を歌った、力一杯どなってもみた。そして更正の喜びにひたったのだった。もちろんあたりの懐しい山も谷もすべて、僕の蘇ったのを見て、一層晴やかな顔を見せてくれた。だからもう僕は迷い廻ることはなく、スキーを履くと一直線に昨日のコルへ下って行った。
 そしてコルに着いたときは、こんなところで迷っていたとは思えないのだった。例の昨日の田圃だと思った木の無い谷では、すでに山猟師がやってきて兎狩をしているのだった
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