だっていつのことだかまだ分らねえんだから……だが、わけのねえことだから、見合いだけちょっとやらかして見ようか?」
「え、見合いを※[#感嘆符二つ、1−8−75]」お光はぎょッとしたように面を振り挙げたが、「さあ……ね、だけど、見合いをすりゃ、すぐ何とか後の話をしなけりゃならないからね。見合いをしっ放しにして、いつまでもまた引っ張っとくというわけにも行かないから……まあ何てことなしに延ばしといたらいいじゃないかね」
「そうかい、それじゃまあ、どうなりとお光さんの考え通りに任せるから、よろしく頼むよ」
金之助は急須に湯を注《さ》したが、茶はもう出流れているので、手を叩いて女中を呼ぶ。
間もなく、「何か御用ですの?」と不作法に縁側の外から用を聞いて、女中はジロジロお光の姿を見るのであった。
「御用だから呼んだのよ。この急須を空けっちまっての、新しく茶を入れて来な」
「はい」と女中はようよう膝を折って、遠くから片手を伸ばして茶盆ぐるみ引き寄せながら、
「ついでにお茶椀《ちゃわん》も洗って来ましょうね」
「姐《ねえ》さん、あの、便所《はばかり》はどちらですの?」
「便所ですか? 御案内しまし
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