」と言って、お光は何か心とがめらるるように顔を赤める。
「じゃ、ちっとは新さんも快《い》い方だと見えるね? そうやってお前が出歩くとこを見ると」
「いえね、あの病気は始終そう附き限《き》りでいなけりゃならないというのでもないから……それに、今日|佃《つくだ》の方から雇い婆さんを一人よこしてもらって、その婆さんの方が、私よりよっぽど病人の世話にも慣れてるんだから」
「それじゃ、病人の方は格別快いてえわけでもねえんだね?」
「ええ、どうもね」
「その代り、大して悪くもならねえんだろう」
「ええ」と頷《うなず》く。
「そういうのはどうしても直りが遅いわけさね。新さんもじれッたかろうが、お光さんも大抵じゃあるめえ」
「そりゃ随分ね何も病人の言うことを一々気にかけるじゃないけど、こっちがそれだけにしてもやっぱり不足たらだらで、私もつくづく厭になっちまうことがありますよ。誰でも言うことだけど、人間はもう体の健《まめ》なのが何よりね」
「だが、俺のように体ばかり健で、ほかに取得のねえのも困ったものさ。俺はちっとは病《わずら》ってもいいから、新さんの果報の半分でもあやかりてえもんだ」
「まあ、とんだ物
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